このブログはあくまでダイエットブログです。なので、カロリーと読んでもキロカロリーと読んでも正しいという立場を取ります。
通常、一日の摂取カロリーとか、食品に含まれるカロリーの話をする場合、ゼロから数千カロリーの間の話しかしないため、千倍の勘違いをする可能性は低いためです。
と、まぁ、なんだか回りくどい言い方ですねw結局どっちが正しいの?って不満を持たれる方も多いことでしょう。
正しいか間違っているか白黒つけろと言われるなら、正しくはキロカロリーです。
でも、栄養学の分野では長らく、カロリーを使っていたので、慣例としてカロリーと読むことが許されているんです。
すると、しっかりと栄養学を勉強した栄養士はkcalをカロリーと読んでも良くて、一般人はkcalをカロリーと読んじゃダメ……なんてのはナンセンスでしょ。
だから僕はカロリーでもキロカロリーでもどっちでも良いと思っています。
- 正しくはkcal
- 慣例的にカロリーと読んでよい(栄養学)
さて、なんでこんなややこしいことになったのでしょうか?
カロリーは2か所で誕生した
カロリーという言葉はラテン語で「熱」を意味する「calor」という言葉から来ています。もともと熱を意味する言葉だったワケですね。
1824年、ニコラス・クレメントという人が「水1キログラムの温度を1℃上げるのに必要な熱量」をカロリーと名付けました。「水1グラムの温度を1℃上げるのに必要な熱量」が現在のカロリーです。
そうもともとの名付け親は、現在の1キロカロリーにあたる熱量を1カロリーと名付けたワケです。
この人、なにげにいろいろな研究成果を残しています。
当時は蒸気機関の最盛期です。木炭からどの程度のカロリーが作り出されるか、水を水蒸気にするのにどの程度のカロリーが必要か、と言ったことを計算できるようにしていきます。また、肉体労働者の労働量と食事の内容などについても研究していくワケです。現在の栄養学に続いていく感じがしますね。
このカロリーという考え方は工学の分野で受け入れられ、当時の辞書や物理学のテキストにはカロリーという言葉がしっかりと載っているそうです。もちろん、現在の1キロカロリーにあたる言葉としてです。
さて、工学の分野では受け入れられたカロリーですが、化学の分野ではほとんど認知されていなかったようです。1952年になり、ファブルとジルバーマンという2人の研究者が酸化反応で発生する熱量を表すために「水1グラムの温度を1℃上げるのに必要な熱量」をカロリーと名付けました。2人の専門分野は化学です。このため、クレメントのカロリーを知らなかったと考えられます。
両者の定義の差がちょうど1000倍も開いてしまったワケですね。考えようによってはすごく面白いです。両者の扱う熱量は全く同じものです。一方の研究者は蒸気機関のような工学分野や栄養学の分野で使用する大きな熱量を、もう一方の研究者は化学反応で起こる小さな熱量を扱っただけの話です。ちなみにこの当時はキロカロリーという単位はありません。
そんなワケで、19世紀の中頃くらいから、「水1キログラムの温度を1℃上げるのに必要な熱量」も「水1グラムの温度を1℃上げるのに必要な熱量」も異なる専門分野を持つ研究者の間で、ただただ1カロリーと呼ばれていました。
カロリー、その後の変遷
さて、その数年後から、これはまずいと思った研究者も出始めたのか、この単位を呼ぶための様々な工夫がされ始めます。
例えば、もともとの大きなカロリーの単位としては「large calorie」「kg-calorie」「G-calorie」など。小さなカロリーとしては「small calorie」「g-calorie」など。酷いものには先頭のCの大文字と小文字、つまり「Cal」「cal」で分けるなんてのもありました。分かりにくすぎですw「kcal」という単位も1907年にはできていたのですが、定着はしませんでした。
ダイエットに関わる分野は栄養学かと思います。アメリカの栄養学では、1960年頃までは単純にカロリーと言う単位が使われていました。1964年から1970年の間にkcalに置き換わったようです。まだまだ歴史が浅いです。
日本ではまだ慣例的にカロリーと呼ぶことが許されている状態です。正しくキロカロリーと呼ぶか呼びやすいカロリーと呼ぶかなんとも言えないところですねw
細かいことは気にするな!!
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